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2008年6月23日 (月)

雨降りが好きでした

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茄子の花を見ると祖母の言葉を思い出します。

「親の意見となすびの花は、千にひとつも無駄がない」




母親には毎日のように小言を言われていました。

ひんぱんに言われたのは、

ぬいだ履物をそろえてから家に上がれと言うことでした。

「うるさいなあ」と、口には出しませんでしたが、顔には出ました。

そんなとき、祖母が横から「親の意見と・・・」と言い出すのでした。

とても口惜しかったけど、ぐっと我慢しました。


二人とも昼間はめったに家にいませんでした。

暇さえあれば畑仕事に行っていたのでした。

家にいたのは雨降りの日だけ、だから私は雨降りが好きでした。

こころが満ち足りました。

二人は野良着を縫ったり繕ったりしていました。


あるとき私はそんな二人に、

学校から借りてきた本を読んで聞かせたのでした。

「石童丸」の物語でしたが、私には読めない漢字が混じっていました。

「なんたらが、なんたらで・・・」(何とかが、何とかで・・・)

それでも悲しく切ない筋書きは充分に理解できて、泣けてきました。

母は「なんたらばっかしで、ちょっともわからへん」と、

笑いながら絣の前かけで涙を拭いていました。

祖母は黙って手を動かしていました。

戦争が終わっても父は捕虜になっていて、帰っては来ませんでした。

父の留守に祖父は亡くなり、母と祖母が田畑を作っていたのです。

母たちが縫っていたのは紺無地の木綿の「てっぽじばん」でした。

鉄砲袖の襦袢です。

襦袢と言っても足首のあたりまであったと思います。

それを腰のあたりではしょって、

裾からは松坂木綿の弁慶格子のおこしを出して着ていました。

巻きスカートの上にスリムなチュニックを着たような・・・

今思えば粋な組み合わせでした。

秋冬にはその上に「鯉口、こいぐち」という絣の袷の上っ張りを

羽織りました。鯉の口のような筒袖だったのでした。





男同様の力仕事の傍ら、自分の着る物は自分で縫っていた女たち、

縫い物は苦手で・・・などとは言っておられなかったのでした。

その逞しさとゆたかさを、なつかしく思い出す雨の季節です。



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雨の音を聞きながら、去年作った手提げを手直ししました。

持ち手が長すぎたのです。丁度15㎝切りとってしまいました。


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ねーさん孫が学校に持って行く保温保冷水筒の袋と

お弁当袋2枚も作りました。

まだまだ作らねばならない物だらけなのです。




今日も本当にありがとうございました。

どうかお元気にお過ごしください。

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手作り」カテゴリの記事

コメント

おはようございます♪

日々の雑事に振り回されて、押しつぶされそうになっている時
私達の前に生きていた多くの女性達の姿を思うと、恥ずかしくなります その逞しさや豊かさ、優しさ、強さに心が奮い立つようです  名も無き多くの女性達が私達の前に、確かに生きていたのですね 
愚痴もため息も、もうお終い 今日も一日頑張ります!

素敵なお話をありがとうございます

おはようございます、テンプレートがすっかり夏模様で、梅雨のうっとおしさから少し開放されたような気がします。

「親の意見と…」私も母に云われたことがあります。「なすびの花は無駄がない」が強烈に記憶に残っていました。
去年、プランターでナスを育てたのですが、花は咲いても実にならず……その時、ものを育てる難しさを思い知ったのでした。
試行錯誤だらけの私の小さな畑は、生活のプラスαの部分です。生活の為の畑をなさっている方のご苦労と、その日々の気遣いはいかばかりなのでしょう。本当に頭が下がります。

おはようございます
休み明けの朝から胸にじーんとくるお話をうかがいました

いつもはウッシーさんの若々しい感性と行動力に「ホントは何歳なん?」
と勝手にツッコミを入れるコトもあるのですが・・・
今朝は感性豊かに生きてこられたウッシーさまの歴史の厚さ、深さに畏れ入り 
あらためて魅了されております。

こんにちは。
素敵なお話ですね
この言葉、主人のお義母さんの口癖なんですよね
今日はすごーく素直に聞けましたよー・・でもお義母さんから聞くと・・「また、始まったぞ」と思ってしまうのは・・わたくしの悪ーい性格のせい?なのかもしれませんね
昔の女性の逞しさや強さってすばらしいですものね
反省も込めてコメントしておりまーす。
 
手提げ、これから季節にピッタリ!いいですぅ~。


こはる様、こんばんは。
小さい頃はそれが当然のことだと思って、
母や祖母を見ていました。
自分が年をとってみて、
あの頃の農家の女の暮らしを見る目も変わりました。
今は木綿の反物も趣味的なものになりましたね。

母の話によると、
紺無地の野良着はこの町の出身の女だけが着ていたそうで、
他の村や町から嫁いで来た嫁は、かすり柄のを着ていたそうです。
私はそこまでは知りませんでしたから、とても驚かされたのでした。

摩依夢さま、こんばんは。
我が家も少し野菜を作っていますが、
虫が多くてなかなかうまく育ちません。
茄子はなんとか実が生っていますが
「無駄がない」とはとてもとても。
普通に収穫することがこんなに大変なことだとは
作ってみてよくわかりますね。

koro様、こんばんは。
私は農家でない家の子どもが羨ましかったです。
親も普通に洋服を着たり和服だったりで、
家の母たちは特殊ないでたちのように見えました。
でも農家だから仕方がない、と思いました。
今思うと紺無地なんて素敵じゃないですか!
もんぺも戦時中ははいたけど、それ以外はおこし・・・
白と黒の格子柄だったのでした。そして細帯を締める。
カッコイイ!と、今なら言いたいですねぇ。

農家出身の人は誰でも、雨降りは家族がそろって家にいて嬉しかったと話しております。

ビオラ様、こんばんは。
なすびの言い伝え、ムカつきましたねえ。
そうには違いないかも知れないけれど、
反抗心がムラムラと広がりましたよ。

今の私、子どもや孫にそういうこと言えません。
言っても仕方ないさ、と諦めているのでしょうか?
果たしてこれでいいのか?と自分に問うております。

ウッシーさん、今晩は。
「親の意見となすびの花は、千にひとつも無駄がない」。
良い言葉を知りました、有難うございます。
我が子から、そんなふうに思って貰える親にならなければと、
改めてそばにいる奥さまと思いました。

そして、こどものとき聞いた躾の言葉、
同じようにわたし達も、もう一度思い出そうと思います。

戦争による辛さ、寂しさ。
どこのご家庭にもあったんでしょうか。
大変ご苦労されましたね。
今の平和に感謝しなければ…。

こんばんは!
ウッシーさんのグロブ読んでいて、母と重なってしまいました
私もそうでした
雨の日は母が家にいるから嬉しかったですね
話をしたとか、一緒に遊んだ記憶はありませんが繕いもをしている後姿を見ているだけで満ち足りていました

昔の女性は凄かったですね!!

うふふふ。
子供の頃に毎日毎日怒られて、毎日同じ事を注意されていた事を、今、自分の娘に同じように言っています。
 
食べるものであそんではいけません!!
お米は一粒一粒に神様がいるから残してはいけません!!
返事は「ハイ」です!!
悪い事したら「ごめんなさい」!!
 
歴史はこんな私の小さな世界でも繰り返されています。
そして、これから、何年か先にも繰り返されるのでしょうね。
ウッシーさんのお宅も。
たのしみですね。

そんな時代だったのですよねえ。
みんながよく働きました。
「石童丸」の読み聞かせをしたとは驚きです。
私にはそんな立派なことはできませんでした。
兵隊さんになることばかりを考えていた軍国少年でした。

shizuo様、こんばんは。
子どもでしたから、大人の苦労はあんまりわかっていませんでした。
身の回りに不自由を感じるようになったのは、もっと大きくなってからでした。
とにかく欲しい物が手に入りませんでしたから・・・
それでも何とか無事に成人し今日に至っていることに感謝しています。

金太郎さま、こんばんは。
やはりそうでしたか。
家にいてくれるだけで嬉しかったですね。
背中を見せて何か用事をしていましたが、
それでもすごく嬉しかったです。
向き合ってくれるのは叱られる時だけでしたよ。(笑)

壱番館のBUNちゃん様、こんばんは。
ウフフウフフ
毎日同じ小言をいわれていました。
それでも守れなかったです。

歴史は繰り返す・・・
その通りですねぇ。
まったくウフフですわ。

ひよどり様、こんばんは。
雨の季節なので思い出しました。
石童丸なら祖母や母にも受けるかと読んだのでしょうか?
子どもも考えますねぇ。

今や私もすっかり年寄りです。
しみじみそう思っています。

ウッシーさんこんばんは。

ウッシーさんのブログの記事1件1件、コメントもいつも心にしみます。
思い出しながらいろんな事を考えます。自分の家族はどうかな?とか、
コメントこうやって書こうかな、とか。が、なかなか言葉にはできません(T_T)

今日は管理人さんにも数十年前のお話を聞く事が出来ました。
私たちの住む地域が以前はこんなだったというようなお話でした。

義母、夫の祖母から頂く野菜、大切にいただきたいです。

手作りとお話と毎日の生活の様子に惹きつけられて、毎日お邪魔しております。今日は昔の生活着を想像しながら読みました。が、東北生まれの40代の私には、中部地方?の衣服が想像と違っているのかもしれません。でも、想像することは楽しいことでした。昔なら着物一枚縫えなかったら裸ですかね~。手作業大好きなウッシーさんに習って、ご無沙汰している洋裁と手芸始めたいな~と布を広げては終う日々です。今日こそ・・そしてウフフフと微笑み出来たらメッセします~

tomo様、お早うございます。
昔の話をお読み下さってありがとうございます。
コメントまでもありがとうございます。
コメントは書き込みも、お返事も難しいけれど、
すごく勉強になりますね。
何を伝えたいのか・・・と。

管理人さんもお話ができて嬉しかったことでしょう。
身近に農産物を生み出す方がいて下さってお幸せですねぇ。
美味しく新鮮な物が食べられていいですねぇ。

7583様、はじめまして。
ご訪問、そしてコメントありがとうございます。
こちらは温暖の土地なので違うでしょうね。
冬は綿入れの袖なしをプラスする程度だったそうです。
鉄砲袖の袖口は手の甲がかくれるような形になっていました。
裁ちだしの手っ甲ですね。コハゼでとめていました。

おこしの下は紺無地の脚絆をつけていました。保温、虫除けです。
全部手縫いですよねぇ。偉いですねぇ。

ナスの花・・・とっても綺麗~~
縫い物チクチク・・・私も大好きな時間なので
いろいろ形にしています
ウッシーさんのチクチク また楽しみにしています
沢山作ってくださいね

今春息子が伊勢神宮へ行ったとき、私の母に松阪木綿のおみやげを買ってきてくれました 「ステキね~」ととても喜んでいました。松阪木綿の歴史を紹介するパンフレットも一緒に同封されていました。

ウッシーさんとご家族のことを思いながら、もう一度じっくりと松阪木綿とパンフレットを見てみることにします。

せっかく旅をしても地元の方との会話がないと大切なことを見逃してしまいますね。今日のお話、たいへんうれしいです ありがとうございました

そうですよネェ。

小さな頃は、何べんも言ってと思っていましたが
今になると、一つ一つが本当だなぁと思います。

文章に飾りがなく、とてもお上手だと感じます。

ステキな手作りの小物ですね。

ところでリンクさせていただいていいでしょうか?

ウッシー様、こんばんは。
子供の頃に感じられた想いをさらりと綴られていて
心にじんわりと染み入ってきました。
きょうも良いお話を聞かせていただきました。
感じたいろんな想いをウッシーさんのようにうまく文章にはできませんが、
感受性はいつまでも豊かにしておきたいと思います。

古い着物をほどいて趣味でこまごまと縫い物をしてますが
継ぎはぎをしたり、はしょって丈をつめたり、繕ったりしてある着物がたくさんあります。昔はそれが普通の事だったんですよね。
いろいろと考えさせられました。ありがとうございます。

ハッセ様、こんばんは。
ハッセさんの手作りやお料理には、
いつも感心させてもらっています。
まねの出来ない面白さがあって、勉強になります。
勇気も与えてもらえます。
これからもいろいろ見せて下さいね。

ち~様、こんばんは。
松阪木綿はいまでは高級品?みたいな感じですね。
昔は庶民にとって身近な物だったのでしょうね。
松阪木綿で、ツーピースなど作って着て見たいような気がしますが、なかなかそこまでは行かず、せいぜい手提げを作るくらいです。
畑帰りの母の紺無地の野良着はいつも汗で湿っていました。
顔も汗でびっしょりで、その汗を手ぬぐいで拭っていました。
あおくさい胡瓜、トマト、なすびも忘れられません。

さな(花の庵)様、こんばんは。
小言を言われていたころは嫌でしたが、今では言ってもらってよかったと思います。
「いじわるで言っているのではない」と、母はよく言っていました。
親となったが運のつき、と言う言葉がありますが、親は孤独な稼業なのでしょうね。
なかなか子どもにはわかってもらえないのですね。

リンク、恐れ入ります。こちらこそよろしくお願い致します。

アガパンサス様、こんばんは。
花ごころ♪布ごころのブログ拝見しました
着物のリメイク、とても素敵ですね。

私も年をとりまして昔話をつい書いてしまいます。
お読みいただくことができてとても嬉しいです。
でも私は年寄りの中では子どもです。
昔のことを知る人が少なくなっていき寂しく残念です。

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