またしばらく会えないよ
じいさんが転院した総合病院の救急外来の待合室で、
自分が何を待っているのかあまりよくわからなかった。
わかっていたのは、退院した病院から持ってきたじいさんの身の回り品を、
この病院に渡さずに家に帰るわけには行かないということだけだった。
誰に渡したらいいか、さっぱりわからなかったけれど・・・(馬鹿みたい)
大分時間が立ってから、突然目の前の診察室のドアが開いて名前を呼ばれ、
若い整形外科医から、じいさんの病気について説明を聞いた。
この時「息子さんにも来てもらいたい」と言われたわけだ。
まだ検査が済んでないけれど、じいさんの病気は長引き、何か月もかかる。
もうずっと(死ぬまで?)病院で点滴を受け続けなければならないだろうと言われた。
「点滴をやめればどうなりますか?」
「どんどん悪くなります」
私が年寄りなので聞こえないと思ってか、
医師は大声で説明してくれるので、
説明の内容にも衝撃を受けたけど、その声を聴くのも疲れた。
部屋を出てまた待っていると、男性の看護師さん?が来て救急のフロアに案内された。
MRI検査の終わったばかりのじいさんが、
ストレッチャーに乗せられていて、
「やっと終わりました」と報告調で言う。
「大変だったね」と、
先刻の医師の説明から受けたショックを悟られないように笑顔で労った。
病室まで運ばれて行くじいさんの後について行き、
渡されたたくさんの書類に記入した。
やっと終わって病室を出る前に、ベッドのじいさんの所に行き、
「またしばらく会えないよ」と、じいさんの左手を軽く撫でると、
「今日は特別なのか」と照れ臭そうに笑って手をひっこめる。
おバカなじいさんだね、
もう二度と自分の家に帰れないかも知れないのに、照れていていいの?
自販機でお茶を5本買ってきて棚に置き、じいさんにバイバイして、
病室を出てから姉さん孫に電話して、
今度は正面入り口に迎えに来てもらって帰宅した。
* * * * *
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コメント
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病院の転院、大変でしたね、
相方が病院にいるというだけでも心が重いのに退院ではなく転院
お疲れ様です。ご主人様とまたしばらく会えない日が続きそうですね。
「携帯電話を大事そうに握りしめ、胸に当てていた。」」胸が詰まりました・・・
一日も速い病気の回復を祈っております。
ウッシーさんしっかりね、お疲れが出ないか心配です。
投稿: おてる | 2020年6月19日 (金) 09時45分
ウッシーさん
こちらのブログの読者の方々のコメント、私も癒されます。みなさん同じ気持ちだと思います。ウッシーさん、ご自身のお体も大切にしてくださいね。あまりがんばりすぎませんように。
投稿: ほりっち | 2020年6月19日 (金) 12時29分
しばらくここにお邪魔で来てなかったのですが、
…ずいぶん状況が変わってしまったのですね。
おじいさまの体は、
これまで力いっぱい気を張ってきてくれていたのでしょうか。
でもとにかく、
目の前にあることからやっつけていくしかないので、
退院を目指してトレーニングですね。
…ウッシーさんが…!
投稿: おかか | 2020年6月19日 (金) 19時34分
おてるさん、こんばんは。
お書込みありがとうございます。
転院の日は緊張していて1日が無事に終わりました。
ところが日が経つにつれ、疲れが出て、昨日今日は私の身体はよれよれです。
けれども、ブログを一生懸命書くことで、何とか前に進まなければという気持ちになることができ、皆さまのコメントにお力を頂き、少しずつ元気になれます。
今日は、おじいさんのことでも、一つ前に進んだかなと思えることがあり、ほっとしています。
またブログに書きますね。
投稿: ウッシー | 2020年6月19日 (金) 19時55分
ほりっちさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
本当にお読み下さる方々から励ましを頂いています。
有り難いことですね。
どんな結果になろうとも、しっかり受け止めようと思って来ましたが、
家で心配していますと、気が変になりそうな時があります。
でも、書くことによって冷静になることができます。
投稿: ウッシー | 2020年6月19日 (金) 20時00分
おかかさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
思いがけないことになって来ましてね。
もつれた糸ですわ、まるで・・・
これを、少しずつほぐすことでしょうね。
こんなコロナの年に発病、入院などして、と、じいさんに腹が立ってきます。
腹が立つのは良いことで、元気が出るのだとわかりました。
なよなよしてては腹は立ちませんね。
私が元気でなければと、身体に良いこといろいろやっています。
運よく退院してきたら、じいさんをしごかねば・・・(-_-)/~~~ピシー!ピシー!
投稿: ウッシー | 2020年6月19日 (金) 20時09分
う~ん一時帰宅も全く出来ないんでしょうか。私は2月に胆嚢摘出手術で4日半入院しましたが、その時はいくらでも面会出来た状態でした。その時にこれだけのことになるなんて、誰が想像出来たでしょうか。
短期間でも入院していると気が滅入ってくるというか、精神的に落ち込んでいくというか、でもメールのやり取りはされているんですよね。 それがご主人様にはものすごく心の支えになられていると思いますよ。 少しずつでも良い状態になりますように・・・
投稿: 紅葉 | 2020年6月19日 (金) 20時16分
ウッシーさん、おはようございます。
ご主人様の容体心配ですね。
私もそうでしたが、こんな時にはスマイルスマイル!笑う門には福来る!です。
お孫さんも立派に育て、こうしてウッシーさんを支えるまでに成長させて、、さすがです。
メールをやり取りできるなんて、お年寄りなのに前向きで凄いです。
これから暑くなるので、見舞いなど行く時は熱中症などに気を付けて下さいね。
新型コロナの最中の入院、、面会が出来ないと色々よけいな事まで考えてしまうでしょうが、ご主人様を信じ退院してくることをイメージして下さいね。
早く容態が良い方向に向き、光が見えるようになります事をお祈りしています。
投稿: チェストツリー | 2020年6月20日 (土) 05時02分
紅葉さん、おはようございます。
コロナで気軽に面会できないのは本当にお互いにとってマイナスです。
悪い方にばかり考えてしまいますね。
まどろっこしい気がしますが必死でメールのやり取りをして励まして来ました。
転院をし、方向がはっきりしたので、気持ちが落ち着きました。
長丁場になりそうですが、根気よく行きたいと思います。
投稿: ウッシー | 2020年6月20日 (土) 09時31分
チェストツリーさん、おはようございます。
ありがとうございます。
本当に、笑顔が大切ですね。
嘘でも芝居でもいいから明るくと心がけています。
メールでは電話で言えないような気恥しいことも言って励ますことができます。
これはありがたいことです。
「一人で苦しまないでね、私もいっしょに苦しむから」
などとは、きまり悪くてとても直接は言えませんよねえ。(笑)
「ありがとうございます、頑張ります」などという返事も、じいさんがばあさんに、面と向かっては普通しませんね。(笑)
ちょっと気障なのを承知で、励まし続けてもうすぐ一ヶ月になります。
これからも、根気よく励まし続けます。
トンネルの出口が見える日が来るのを信じて。
投稿: ウッシー | 2020年6月20日 (土) 09時47分